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腹黒さんと猫
2007-03-26 Mon 18:29


「めんどくさい…っ」

いつもなら丁寧に扱う着物を少し乱暴に投げ、不満を隠しもしない顔で着ている方の着物を脱ぐ。

真白がこうも不機嫌な理由。
それは…

「真白、もう小さな子供じゃないだからそう云わないの。
…たかがパーティくらいで」
「真黒…!」

腕に真白の猫である芙蓉を抱いて、子供を嗜めるような笑顔を湛えている真黒。

「他人事だと思って!」
「うん、他人事だもの」

そんな真白にくすくすと笑みながら「おいき」と芙蓉を放す。
芙蓉は真直ぐに真白の足元へと行きすり寄った。
いつもならそれで甘い顔になる真白だが、今日はまだまだご機嫌斜めで…。

「……今日のパーティ、あの人が居るって」
「あの人?」
「ほら、この前息子を家に通わせたいって来たお偉いさん」
「ああ、あの胡散臭そうなじじいね」

そう日にちが経っていないが、うっすらと覚えている程度。

「…で、その人がどうかしたの?」
「パーティで逢うたびにジロジロ見てくるんだよ。
たまに、お菓子とかくれるけどなんか気持ち悪い…」

その視線の意味には決して気付いていないのだろうが、本能的に嫌悪しているようできゅっと眉を寄せる。

「ふぅん、ジロジロ…ねぇ」
「うん…。あっ!もう時間だ。…行ってくるな、真黒」
「いってらっしゃい、真白。」

玄関まで付いていき、芙蓉の手をふらせて見送る。
その芙蓉に真白はちゅっと、キスして玄関を出ようとした。
すると、真黒が意味深気に引き止める。

「真白、その嫌な視線今日までの我慢だからね」
「…?真黒がそういうならそうなんだな」

目に見えて嬉しそうに笑み、今度こそ出かけていった。

「さぁてと、どうしようか。ねぇ、芙蓉?」

静かな玄関に響くのは、愛らしいが恐ろしい笑い声と肯定するような猫の短い泣き声だけだった。



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